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「ビシッとシャープで華やかなベストを着こなすバーテンダー。おしゃれなカクテルを提供してお客様に満足してもらって…」

そんな夢に満ち溢れて、私は個人経営のバーにバーテンダーとして就職しました。

しかし、現実にはかわいい女の子がもてはやされたり、なかなか帰られないお客さまのために営業時間を過ぎても残って眠気をこらえる日々を送る毎日になってしまったり…と、イメージとは違うものでした。

店のオーナーは明日があるからと先に帰ってしまったのに、延々と朝の5時まで営業を続ける(閉店は1時なのに)羽目になってしまった経験があります。

それなのに営業時間内の分の給料しか払ってもらえず、不遇な日々を送っていたんです。

私の場合、結果として6年間働いた後にオーナーに「辞めたい」という意思を伝えることになりました。

個人経営バーで働く男性バーテンダーの悩み

私の場合は個人経営のバーでしたが、バーテンダーが「仕事を辞めたい」と思ってしまう共通の悩みとしては、以下のようなものがあると思います。

①客寄せの女性スタッフが優遇される

夜の業界に男は価値がないから」という言葉は本当によくいわれます。

日本の飲食業の場合、カクテルを作るというだけでは価値を認めてもらえないのが現状です。

それに対して、女性は明るくかわいい女の子というだけ(特にお酒に知識があるだけではない)で時給が高かったり、いつも話題の中心にいたりと優遇されます。

一人で飲みにくる独身の男性客の多くは、おいしいお酒を飲みに来ているというよりは、かわいくて若い女性を求めて来店しているというのも実際のところです。

日々、バーテンダーとしてカクテルの勉強を積み重ねていても、価値を認めてもらえないのはとてもつらく、そんなときは辞めたいと感じてしまうことは多かったです。

②他店と競争させられるストレス

個人経営のバーにおいては、集客が大手フランチャイズの居酒屋のようにはいきません。

お酒の回転率を考えて「リキュール類の在庫を極限まで減らしたい」と考えているのが普通です。

適当にジュースで割れば、多くのレシピが提供できると考えているのがオーナーの本音ということも多いでしょう。

実際に、限られた在庫のなかで多数のオリジナルカクテルを考えるように求められたりもします。

私の経験では、団体でいらした6名のお客様に対して、バナナリキュールだけを使ってオリジナルを6種類提供するように求められたことがあります。

集客のために、おすすめのリキュール特集を組むことで他店との差別化を狙うのはわかります。

ですが、限られた在庫で別なものを何十種類も考えろというのはあまりにつらく、ストレスだけがたまって辞めたいという気持ちがつのっていきました。

③常連客優遇のサービス残業

個人経営のバーにおいては、タイムカードなど導入していないのが一般的です。

給料についてもアバウトで適当に決めているケースが多い…というのが実際のところですね(こういうところも私がバーテンダーの仕事を辞めたいと考えるようになったきっかけです)

深夜帯になっても他のお仕事のように時給が加算されることはありませんし、営業時間を超過しても追加の給料が出ることもありません。

時給の設定は名目上ありますが、実際にもらえるのは日当(1日ごとの給料)という感じで残業代はつけてくれませんでした。

お客様(特に常連さん)が、まだ飲んでいたいと言えば営業時間を過ぎてもダラダラと進まない酒に付き合わされることも多いのもつらいです。

また、常連さんが帰る前に新規客が来店したら、入店を断らずに入れてしまうケースもあります。

いつ家に帰れるかわからない仕事というのはストレスがたまるものです。

最終的に私がオーナーに辞めたいと伝えた頃には、笑顔も引きつってしまうようになっていました。

④店を任されても変化のない給料

ある程度仕事ができるようになり、常連さんともひと通りお話ができるようになると、店をまかされるようになることがあります。

実際には店をまかされているというよりは、オーナーがなにかと理由をつけて出勤しないことが多くなる…ということでもあるんですが…。

仕入れから始まり閉店の作業までとなると、営業時間外の仕事に3時間から4時間くらいプラスされてしまいますが、その分が給料に反映されないこともあるでしょう。

自分の頑張りが正当に評価されないというのはとてもつらいものです。

バーテンダー経験者が優遇される転職先は?

そんな苦しい経験をした私のバーテンダー時代でしたが、現在は転職をして営業の仕事をしています(飲食業界ではありません)

バーテンダーは福利厚生や給料の面を考えると非常に環境が悪い仕事ですが、仕事を通して身につけられるスキルは間違いなく多いです。

現在、バーテンダーを辞めたいと考えている方は、別の仕事に転職することで新しい活躍の場を見つけることも検討してみる価値はあると思いますよ。

(私は実際に別の業界への転職をし、年収も大幅にアップさせることができました

バーテンダーを数年間以上経験した人であれば、以下のような形で新しいキャリアにつなげていくことも可能だと思います。

【選択肢1】会話力がいかせる営業職

バーテンダーとして経験を積んだ人であれば、お客様との会話力には自信があると思います。

この能力や経験をいかせるのはなんといっても営業職です。

普段からお客様の悩みに親身になって対応し、普通の仕事をしていたら絶対にお会いできないようなレベルの高いお客様から様々なことを教えていただいた経験がある方も多いでしょう。

初対面の方と打ち解ける速さはどんな業界の営業でも非常に強みになります。

飲食業界の裏話などは興味を持っている人はものすごく多いので、話題には本当にことかかないですね(そういう雑談から商談に発展するケースはひんぱんにあります)

営業職の場合、自分があげた売上実績がお給料に反映される部分が大きいので、飲食の仕事しかしたことがない人が営業に転職すると「こんなに稼げるの?」とびっくりするかもしれませんよ。

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【選択肢2】同業種で別の店舗に移る

本当にカクテルが好きという人や、バーテンダーとしてのお客様との会話が楽しくてやりがいになっているという方は、他の店舗で勤めることも選択肢にしてみると良い結果が得られるかもしれません。

特にカクテルの大会に参加しているような意欲的なバーテンダーさんが在籍している店舗は、お酒の種類も豊富ですのでとても刺激的なお仕事ができます。

また、ホテルバーテンダーもおすすめです。

個人経営のバーと違って、営業時間や給料体系もしっかりしていますので、ストレスが軽減なく仕事に集中できる環境があることが多いですね。

【選択肢3】自分のキャリアを見つける

バーテンダーの仕事の良いところは、いろんな業界の内部事情をお客様を通して知る機会が多いことです。

また、仲良くなったお客様がぽろっと「君にはこういう良いところがあるから、こういう仕事も向いているかもしれないよ」と自分の評価をしてくれることがあります。

自分の長所や短所というのは身内などからは客観的に指摘してもらうことが難しいですから、なかなか気がつきにくいものです。

その点でまったくの他人でもなく、かといって身内でもないお客様の評価というのは、自分のキャリアについて考える上でとても参考になるでしょう。

現在、バーテンダーとして働いている人で、転職を検討している方は普段のお客様とのなにげない会話にヒントを探してみてください。

お客様からの評価で自分の特性(長所や短所)に気づき、もっと向いている職業を発見が得られることも十分にあります。

お客様とざっくばらんに話すのは苦手…という方は転職サイトに無料登録することでついてもらえる転職エージェントさんにキャリアの相談をしてみるのも良いですよ。

(私も転職エージェントさんに現在の仕事と業界を紹介してもらいました。自分では気づけなかった仕事だと思うので相談してよかったと思っています)

まとめ:バーテンダーの最大の武器

私がバーテンダーの仕事を通して手に入れた最大の武器は、なんといってもお客様とすぐに打ち解けられる会話力です。

バーテンダーが相手にするお客さんの幅広さ(業種や性別、年齢など)は、どの業界と比べても負けないほどに広いことは間違いありません。

また、お酒が入っているという特殊な状況下での会話経験で、他の業種よりもはるかにお客様の本音を聞きだす能力がきたえられています。

「最高の接客業」と呼ばれることもあるバーテンダーとしての経験は、別業種のお客様との会話でも最大限発揮することができるはずです。

新しい職業にキャリアアップすることを検討する場合には、バーテンダーの仕事を通して得たコミュニケーション能力を最大限にいかしましょう。

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