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フィットネスクラブのジムトレーナーというと、若くて健康的にきたえられた男性や、引き締まったボディラインが美しい女性がお客様にエネルギッシュに指導をしている…というイメージがあるかもしれません。

しかし、それはあくまでもジムトレーナーの「表の顔」です。

実際にはお客様から見えない部分で、多くの雑用的な仕事をやらされたり、営業マン顔負けな販促ノルマ(所属するフィットネスクラブの月額会員への誘導など)を課されていたり…という人が圧倒的に多いというのが現実なんです。

ジムトレーナーは決して華やかな仕事ではありません。

労働環境についても、勤務時間の不規則さは深刻なものがあります。

今回は「ジムトレーナーを今すぐにでも辞めたい…」と考えている方、あるいは「将来的なことを考えると、このままジムトレーナーを続けるべきか迷っている…」という方向けに、私の転職体験談を紹介させていただきます。

【悩み1】変則シフト制の長時間労働…

基本的にフィットネスクラブは「月に1回の休館日+年末年始休暇+お盆休暇」となっています。

ですが、年末年始などは特別料金を徴収して営業をしているところも有ります。

また、7時~23時30分位までの営業時間の店舗もあれば、24時間営業の店舗もあります。

比較的営業時間が長いことから、労働時間が長くなり、生活が不規則となってしまうのはやむをえないことかもしれません。

この労働時間の長さ、不規則さも私がジムトレーナーを辞めたいと思うようになったきっかけの一つです。

男性と女性で違いはある?

男性と女性の構成比を見てみた場合には、男性6割、女性4割程度になる職場が多いとおもいます。

そして、女性はフロントスタッフがほとんど。

ジムトレーナーの女性というのは非常に少なく1店舗に社員が1人居れば良い方です。

そんな中でまかされるシフトは、お客様の来館が多い「土日祝の昼間+平日の夜」になります。

そのため、早く帰宅できると言う事はほとんどありません。

体調を崩して辞めたい…という愚痴をこぼしている人はとてもたくさんいましたね。

私が勤めていたフィットネスクラブでは、フロントの女性が足りなければトレーナーがおぎなう形になっていました。

深夜のフロントを女性トレーナー、深夜のジム業務を男性トレーナーで回すというのが基本だったように思います。

シフトを変わってもらえない

当然ですが、シフトを変わってもらうには同じ役職またはそれ以上の人でなければ交代が難しくなります。

チーフトレーナーという立場になってしまうと交代してもらえるのはマネージャーもしくはエリアマネージャーしかいません。

女性が1人も店舗にいないときなどは交代してもらえず、シフトの融通がまったくきかないというのがとても大変でした(辞めたい…なんて言い出すスタッフが一人でも出たらもう大変です)

学生時代の友達の結婚式に参加したくても、交代できる人員がいない…という状況になったときにはとても困りました。

当然ながら私用で休む事など、役職についてしまうとほとんどできません。

体調不良の部下の変わりに出勤して振替休日が取れないと言う事も多々ありましたから、プライベートな時間がとれずライフワークバランスはとても乱れてしまい、辞めたい…と思う日が増えていきました。

それでも収入を得るために会社中心の生活をせざるを得ないというのが状態だったんです。

【悩み2】顧客獲得の為の営業活動が多い

ジムトレーナーの場合、チーフトレーナーになると、業績手当てというものがついてくることが多いですよね。

まわりからは「頑張れば頑張っただけお給料が増えるなんて最高じゃん!」なんて言われたこともありますが、実はこれがクセモノなんですよね(私がジムトレーナーを辞めたいと思うようになった理由の一つです)

業績手当というのは、具体的には「売り上げ目標の○%達成」という形で追加のお給料が支給されます。

私がいたフィットネスクラブの場合は5%きざみになっていたのですが、業績が悪いと当然この業績手当てはつきません。

役職者はこの「業績手当=役職手当」という扱いになっていましたから、遅くまで働いても残業代の支給はありませんでした。

ですから、業績手当てがない月は、勤務時間外はただ働きしているということになります。

お給料を増やすために営業活動…

そのため、ちょっとでもお給料を増やすために顧客獲得の営業は欠かせませんでした。

私の場合は業者に頼むのではなく、駅前でのハンディングや地域へのポスティングを実施していました。

新聞折込を活用している人たちも多いとおもいますが、現在は新聞を購読している年齢層にもかたよりがありますよね。

購読数が全体として減少しているので、新聞の折込よりもポスティングの方が顧客獲得を期待できていました。

ハンディングではお店が近隣にあると言う事を知ってもらうために数が勝負になります。

しかし、来館者数が増える時間には現場を離れられません。

遅番勤務であれば、朝の通勤の時間帯にチラシのハンディングをしたり、来館の少ない昼間の時間にポスティングを行うこともありました。

もしくはまとまった収益を得るために、企業などに法人チケットを販売しに行くなどの営業活動を行なったこともあります。

そんなこんなで、私の業務負担はどんどん増えていきました。

はっきりいって、ジムトレーナーが本業なのか、営業マンが本業なのかわからないぐらいの状態だったんです。

売り上げ目標を達成し、利益を出すために勤務時間外での営業活動をおこなわなければいけないというのは、私がジムトレーナーを辞めたいと思うに至った理由の一つです。

【悩み3】勤務時間外の研修が多い

ジムトレーナーのようなトレーニングの専門職は、自分自身がトレーニングの実践や学習を行い、正しい知識と経験に基づいてお客様に情報提供をしなければなりません。

また、緊急時に備えてCPRやAED、応急処置などの研修にも定期的に参加しなくてはなりません。

この業務外の研修などの負担が大きくなりすぎたことも、私がジムトレーナーを辞めたいと思うようになったきっかけの一つです。

研修費用は会社が出してくれますから無料で受講できるものの、会社がお金を出しているだけに「断る」という選択肢はない…というのが実情でした。

研修地獄で体調不良に…

問題なのはシフトとのかね合いです。

研修を受けている時間は勤務時間に含まれないので、遅番14時30分~23時30分までの勤務で帰宅は終電。

ところが次の日の研修は9時~12時本社で開催されるので、仮眠を取って研修に参加し、その後また遅番で勤務をするというようなスケジュールが組まれます…。

また、早く終わった日の営業終了後に実技研修と言う事で関東店のスタッフを呼んで21時過ぎに集まり終電まで研修を行なったり、実技試験を受けさせられたり…と言う事もありました。

お客様のためにと思う反面、このようなサイクルが長年繰り返されると身体は悲鳴をあげていきます。

ジムトレーナー経験を転職で活かすポイント

ジムトレーナーの経験がある人には、当然ながらトレーニングについての専門知識を持っていますよね。

その専門知識は別の仕事をするときにも活かせる可能性があります。

複数の資格をかけ合わせることで、自分でしか提供できない価値を生み出し、キャリアアップしていくというのも一つの方向性です。

例えば、ジムトレーナーとしての経験が活かせる資格や職業としては、栄養士(健康やダイエット×トレーナー)理学療法士(リハビリ×トレーナー)がありますね。

こういったキャリアの築き方は、トレーナーとは全く異なる業界でも普通に行われていることです。

例えば、「弁護士×税理士」という形でビジネスに関する相談を総合的に受け付けることができる士業を開業したり、「介護福祉士×行政書士」という形で福祉関連の許認可ビジネスを展開するといったことはよくみかけるやり方ですね。

ジムトレーナーとしての経験があるあなたも、これと同じように「資格や経験のかけあわせ」をキャリアアップの一つの手段として考えてみると良いかもしれません。

この方向性はうまく世の中のニーズと合致した時には非常に大きな収入を得られるようになる可能性があります。

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コミュニケーション能力を強みに

もう1つの方向性は、ジムトレーナーとしてきたえたコミュニケーションスキルをいかして営業マンとしてのキャリアを突き詰めていくことです。

トレーナーというのはあくまでも伴走者ですから、実際に目標に向かって走るお客さんの悩みを深く理解していないと、その方のゴールや目標への到達を助けることはできません。

トレーナーをやっているとごく自然にやっている「お客さんをメインにすえて目標設定を行い、それに寄り添う形で一緒に走る」という接し方は、実はものすごく高度なコミュニケーションの経験といえます。

これは営業マンとしてお客さんとコミュニケーションをとるときにも応用できるスキルです。

営業マンの仕事は「自社の商品やサービスを売る」というとてもシンプルなものですが、商品やサービスを売るためには、相手が価値を感じてくれなくてはなりません(価値を感じないものを、誰も買おうとはおもいませんよね)

人が商品やサービスに価値を感じるのは、その商品やサービスが自分や自分の会社の悩みを解決してくれると理解できた時です。

つまり、営業マンとして実績を上げるための第一歩は、お客さんの悩みについて深く理解できることなんです。

トレーナーとしての経験がある方であれば、この「相手の悩みや課題、ゴールに寄り添う」ということが基本的なコミュニケーションスキルとしてみについていますから、営業マンとしてもキャリアアップしていける可能性は高いと言えます。

次の転職先の具体的な選択肢は?

ここからはフィットネスクラブのジムトレーナーが選択することができる、具体的な転職先について例を挙げてみます。

(いずれも私自身や私と一緒に働いていたジムトレーナーの人が実際に選択しているキャリアの築き方ですから、実現性は保証できます)

①医療関連のトレーナーへの転職

1つ目は複数の資格のかけあわせで専門性をアップしていくキャリアです。

これは私自身が現在目指していることでもあります(私は現在、とある病院に併設されているリハビリ施設にトレーナーとして所属しています)

労働時間の面でも、フィットネスクラブは営業時間が長いのに対し、病院が関わる施設では営業時間が比較的短い傾向にあります(利用する人の層がまったく違うからです)

そのため、トレーナーとしての知識や経験を活かしながら、無理のない働き方をする事ができます。

お休みも決まっているところが殆どで、木曜、土曜午後と日曜休診などとなっていると、ライフワークバランスも安定してきますね。

また、これらの職場では理学療法士や柔道整復師などが勤務していることが多いですから、自己のスキルアップをするのにも良い転職先です。

②販促の経験を生かして営業職に転職

ジムトレーナーの経験がある方で、販促(販売促進)の成果も求められたことがある方は多いでしょう。

上でも紹介させていただきましたが、私の場合は個人客への営業だけではなく、企業に対しての法人チケットの販売や、外販(マシンの販売)などもやらされた経験があります。

当時は「なんでトレーナーの自分がこんなことを…」と思っていたものですが、知らず知らずのうちに良い経験になっていることもあるものです。

私が勤めていた職場では、トレーナーとして役職が上がれば上がるほど、大型案件の営業を任されるようになる傾向がありました。

こういった成果を求められた経験は、今後営業職にキャリアを転換しようと考えている方にとってはプラスに働く可能性が高いです。

ジムトレーナーの場合は個人の営業成績ではなく、店舗の営業成績により若干給与に反映されるというものが多いですよね。

それに比べると、営業職の給与は個人の営業成績に比例をする部分が大きくなります。

今よりも年収をもっとアップさせたいという気持ちが強い人は、営業職としてキャリアアップすることも選択肢に入れてみると良いでしょう。

③ヒアリングが重要な仕事で力を発揮

お菓子や洋服の販売などは、そこまで営業努力をしなくても、ブランド名だけでお客様が商品を購入してくれると言う事があります。

しかし、(これも私は実際に経験したことのある分野なのですが)保険や賃貸の仕事は別です。

お客様の要望を聞き、条件にあったものを提示し購入(契約)してもらわなくてはなりません。

それは、ジムトレーナーがサプリメントの販売などを行なうときと同じで、お客様の要望にあった商品を、数ある中からピックアップして提案するということにとても似ています。

ジムトレーナーにもその他のサービス業にも言えることとしては「お客様の要望に合った商品を提案する」と言う事です。

商品についての知識はそのつど学ばなければいけませんが、コミュニケーションをとりながら何を望んでいるのかを汲み取り、お客様に提案をするというスキルは職種が異なっても変わりません。

まとめ:現在の経験を活かせる転職をしよう

ジムトレーナーを辞めたい…現在そう思っている方は、これまでの自分の経験を生かして何が出来るのか?を考えていく事が重要です。

転職するたびにまったくゼロから、ということではそのたびに年収も下がってしまいますから、転職活動では「今まではこういう仕事をしてきました。これらの経験のこういうところは御社の仕事でも活かすことができると思います」というアピールをすることがキャリアアップにつながるでしょう。

本文で紹介させていただきた「専門職のかけあわせ」という方向性と、「コミュニケーション能力を生かして営業職を極める」という方向性の2つは、ジムトレーナーの方が次の転職先を考えるときの基本になると思います。

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