私は、以前に都内にある中堅の不動産販売会社で経理として働いていました(トータルで5年間ぐらい。30代女性です)
不動産会社というのは、はっきりいって働いている人の個性も独特です。
「営業が従業員全員を食わせているんだ」と言う意識が強く、経理のスタッフなんかは吹いて飛ぶような存在…と考えている人も少なくないです。
毎月期限ギリギリに接待費やら旅費交通費やらの領収書を持ってきては、決まって自分に都合のいい経理処理をさせようとするのが日常なのにストレスを感じていました。
中には個人的なキャバクラ通いに使ったお金を接待費として精算しようとする人なんかもいて、「それはおかしいのでは?」といっても「それなら役員に通す!上は俺の味方だ!」と逆上するような変な人たちもいました。
ここでは不動産会社の経理が辞めたい…と感じる瞬間についての体験談を書かせていただきます。
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この記事でわかること
【辞めたい…となる悩み①】経理のルールを守ろうとしない社内の人たち
経理というのは基本的に法律のルールにしたがって、同じ種類の取引なら、同じ処理の仕方をするのが基本です(そうしないと後で税務調査などがあったときにトラブルになります)
私が経験した不動産会社の経理では、社員や役員でプライベートな支出を会社の経費として処理させようとする人が多くて困りました。
最初のうちは私も経理経験がなかったため「こんなものなのかな…」なんて思っていたんですが、同じく経理として別の会社で働いている友達に相談すると「そんなのありえないよ笑」というケースが非常に多かったんです。
ある日、役員から役員室へ呼び出しがあり、「領収書の経理処理方法が違う」と指摘されることがありました。
見てみると明らかに個人的な支出で(愛人との旅行)、しかも金額が私のお給料の2ヶ月分…というありさま。
こういう瞬間は本当に腹が立ちますし、辞めたいというストレスが一気に蓄積されます。
このような指摘は月末の経費精算のたびにあり、そのつど相手の都合の良いように経理処理を変更するという状況だったんです。
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【辞めたい…となる悩み②】不動産売買は土日。カレンダー通り休めない
求人情報には「土日祝日は休みです」という文言があったので、この会社からの内定を受けました。
しかし実際は、土日祝日出勤が普通にあり、独身だった私はつごうのいいように出勤させられていました。
こういうところでも社内での力関係というか、上司の人たちとの関係性の強い人たちから順番に都合よく休みをとっていくというシステムになっていたのです。
こういう業界特有のギトギトした職場の雰囲気も、私が不動産の経理を辞めたいと思うようになったきっかけでした。
不動産業界にどっぷり使っている人は、「自分のつごうの良いようにウソをつく、適当につじつまを合わせる」ということが体質としてしみついてしまっているように思います。
今でも当時の求人案内を持っているのですが、一体どれが本当の内容なのだろう…と、当時は非常に悩む日々が続きました。
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【辞めたい…となる悩み③】経理としてのキャリアアップに困る
不動産会社は、販売している商品が高額であるため、その分特殊な処理が多いです。
もちろんそれも経験として必要なことはわかっているのですが、経理分野で長期的にキャリアを積んでいこうとすると、少し専門的過ぎてかたよりが強いというのが実際のところです。
私は将来的にも経理分野でやっていきたいと思っていましたから、長い目で見たらこれではダメなのでは、と感じるようになりました。
経理の良いところはつぶしがきくことだと思っていましたから、どこでも通用する経理マンになりたい、という思いを持っていたんです。
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不動産経理の経験はムダにはならない
不動産会社の経理の悪い部分についていろいろ書かせていただきましたが、経験を積むという意味では無駄なことではないと思っています。
不動産業界は、単価が非常に高いものを取り扱っているため、独特な経理処理もたくさん経験していることでしょう。
いま、「経理としてこれでいいのか?」という不満を持っている方は、毎日の経理処理の中で、なぜそのような処理方法になるのか、本来の正しい処理方法はどうなのか?ということを理解するようにしておきましょう。
業界的な雰囲気にのまれてしまうと、悪い癖がついて転職の時に思わぬ痛い目をみる可能性がありますから、常に「本来の正しいルールではこうするべき」ということは忘れないようにしてください。
経理として基本となっているものは不動産業界だろうが、別の業種だろうが同じです。
経験者としての転職活動であれば非常に採用が決まりやすいのもこの業界の特徴ですから、今の職場で「辞めたい。つらい…」と日常的に感じているのであれば、転職という選択肢も検討してみると良いでしょう。
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不動産経理がキャリアアップになる転職先
私の場合、結局5年間ほどその不動産会社で働いた後、自分の上司に「辞めたい」という意思を伝えました。
上司の経理部長がこれまた弱気な人で、営業や役員のいうことに常にビクビクしているような人でしたから、もちろん私のことを気遣って慰労しくれるというようなことはありませんでした。
今ではちょっと長居をしすぎたかな…と思っているぐらい、転職してよかったと思っています。
以下では不動産会社の経理を辞めた後に経験した仕事で、キャリアアップ(年収や役職のアップ)につながった転職先をいくつか紹介させていただきます。
【次の選択肢①】他業種の経理への転職
経理という仕事は基本的にはつぶしがきく職種です。
すべての企業に経理に関する仕事がありますから、経験者向けの求人は常にたくさんある状態です。
不動産会社の経理というのは上でも書かせていただいたように独特な雰囲気の中で仕事をしています。
業界的なイメージが良くありませんから、転職活動時に面接をしてくれた経理担当の人に「不動産会社の経理にいた」というと、「けっこう苦労したんじゃない?」というふうにいってくれる面接官の人も多かったですね。
不動産会社で3年以上の経理経験がある、といえば、たいていの企業の経理では面接まで進むことができるでしょう。
経験者として転職活動すれば即戦力として入社することができますから、年収もアップする可能性が高いです。
将来的に経理分野でキャリアアップしていくことを検討している方は、他業種の経理職に転職するのが第一の選択肢ということがいえるでしょう。
【次の選択肢②】会計事務所への転職
経理実務の経験者には、会計事務所(税理士事務所)への転職もおすすめです。
会計事務所というのは税理士や税理士志望者が働く企業のことですね。
本格的に経理財務分野でのキャリアアップを目指していくなら、税理士試験の勉強を始めてみるのも良いでしょう。
税理士試験は難関ですが、科目合格制度がありますから、毎年1科目(合計5科目が必要です)といった形でマイペースで試験を受けていくことも可能です。
会計事務所で実務経験を積みながら税理士試験に合格することができれば、合格後すぐに開業ということも可能になります(税理士は女性、男性関係なく需要のある仕事です)
開業までは視野に入れなくても、税理士として大手企業の経理管理職に転職することができれば大幅なキャリアアップにつながるでしょう。
ただし、会計事務所は多くの場合は従業員数5名〜20名程度の小さな組織ですから、職場の人間関係に悩む人が少なくないのも事実です。
会計事務所への転職を考える場合には、転職エージェントを使って入社前に職場の雰囲気や税理士試験の勉強を応援してくれる環境があるか(試験前1ヶ月休暇がとれるなど)などはよくチェックしておくのが良いと思います。
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