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旅行会社の仕事は、日常生活から離れた楽しい時間を提供する「夢を売る仕事」として就職活動でも人気が高い職種の1つです。

実際に旅行会社社員は、ほとんどが自分も旅行好きだ、という人たちが多いでしょう。

お客さまに旅のアドバイスをしたい、思い通りのツアーを作ってみたい、自分の旅行も安く行きたいという夢をもって入社してくる人たちが大勢います。

しかし実際に働き始めると、理想と現実の差が大きいことに直面する人が多いことも事実です。

私は海外パッケージツアーの企画をしたくて旅行会社に入社しましたが、何年も他の部署で違う仕事を担当する羽目になりました。

旅行会社も一般企業同様に、大きな会社になればなるほど希望の仕事は巡ってこないものです。

旅行会社社員は「この仕事をやりたい!」と入社する人がほとんど

旅行会社で働く人の多くは、自身でも旅行が大好きで、ツアコンやツアープランナーの仕事に就きたい希望を持っている人がとても多いですよね。

それはそれでとても良いことなんですが、問題は旅行会社社員の中で、これらの職種につけるのは「一にぎりの人だけ」だということなんですよね…。

ここでは「この会社もう辞めたい…つらい…」となりがちな具体的な悩みの内容について書かせていただきます。

①ツアープランナーやツアーコンダクターになることができない

旅行会社へ入社する人の一番多い希望内容が、ツアーを作りたい、添乗員(ツアーコンダクター)として活躍したいというものです。

しかし大きな旅行会社になればなるほど様々な部署があり、希望する仕事に就ける人は一握りです。

海外旅行のパッケージツアー企画をしたいと夢を持って入社しても、企画や造成部署へ配属される人は同期の中でも1~2名というせまき門です。

当然、新入社員で配属になるようなラッキーな人事はなかなかありません。世界中を旅する憧れのツアーコンダクターの仕事も同様です。

旅行会社に入社して何年経っても希望する仕事に携われないと、この会社で働いている意味がないのでは?他の旅行会社に入るほうがチャンスがあるのでは?と辞めたい気持ちになってしまう方も多いと思います。

②人事異動によりモチベーションが下がる…

幸いにもツアープランナーやコンダクター、セールスなどでやりがいを感じる仕事を経験すると、「別のことはやりたくない!」と考えがちです(私もそうでした)

次の異動がコールセンターや店舗カウンター、総務や経理など「誰でもできそうな業務」になってしまった場合に、モチベーションがグッと下がってしまい、辞めたい気持ちになる人は多いものです。

大手旅行会社になればなるほど、良い人材には様々な経験をさせようとするために異動の機会も多い傾向があります。

でも、これって本人が描いていたキャリアプランと大きく差が出ることになることもあるんですよね。

ツアープランナーをやっていたときにはものすごく意欲的にがんばっていた人でも、違う部署に人事異動になった途端に「辞めたい…」と上司に伝えて退職していく人が多かったです。

実際に私もその一人で、訪日外国人旅行の仕事に長くたずさわっていました。

これからもっと成長する市場だと期待した矢先に異動になり、心底ガッカリしたものです。

海外出張も多くやりがいのある充実した仕事だったのに、異動後は毎日オフィスに籠り航空券の発券をひたすら行うこととなり、これは「私」でなくてもいい仕事だ、と感じるようになったのです……。

③情熱を傾けられない仕事になると労働条件に不満を持つ

旅行に積極的に関わることができる部署や、自分の意見を大いに反映できる仕事であれば、多少業務量が多くて給与が安いと思っていても、仕事に対する情熱から頑張れる人が多いものです。

接客が好きな人なら、カウンター店舗で閉店が夜8時であったとしても苦痛とは感じませんし、ツアープランナーたちは新しいパンフレット制作のために夜遅くまで残業を続ける日々も乗り切ることができるでしょう。

大手旅行会社になればなるほど、働き方改革もすすんでいますから、基本的には残業ゼロの定時退社が推奨されています。

でも、誰にでも経験はあると思いますが退屈な時間はとても長く感じられますよね?しかも旅行会社の仕事は、同じグレード(人事評価)の人であれば職種によって給与が異なるものではありません。

つまり、ツアーコンダクターやツアープランナー、カスタマーサポートでのクレーム処理でも、総務や財務の仕事でも、基本給は全員同じなんです。

多くの人が「やりがい、労働条件、給与」の3つのバランスを仕事に求めています。

旅行会社の社員は特にそれが顕著であるため、さっさと見切りをつけて退職に踏みきる若い人たちも少なくありません。

④お給料の不満

お給料や労働条件は旅行会社によってさまざまですね。

旅行業界は、海外、国内旅行の募集型企画旅行が行える第1種から、他社パンフレットのツアー販売しか行えない第3種までの登録制で3種だけでも何千社とあり、お給料や労働条件が本当にピンキリです。

第1種旅行業登録でもJTBを筆頭に10社に満たない数だけが大手と言え、あとはお給料、福利厚生、労働条件でも劣悪な環境ということも少なくないですね。

逆にいうと、現在は大手以外の旅行会社で働いているという人は、大手への転職を成功させることができれば年収や福利厚生を大幅にアップできる可能性があります。

新卒の時には目指せなかった大手会社も、実務経験があれば中途採用される可能性は大いにありますから、挑戦してみる価値はあると思いますよ。

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旅行会社の実務経験者におすすめの転職先は?

私は旅行会社での経験をもとに、現在は別の仕事に転職することができました。

ここでは旅行会社の実務経験者の方におすすめの転職先をいくつか紹介させていただきますね(いずれも個人的な体験談を含みます)

①違う旅行会社へのキャリア転職

ツアープランナー経験者や志望者のほとんどが、次の転職先にも旅行会社を選択しています。

社内でも花形の仕事であるツアープランナーを続けたい、ツアープランナーになりたいという希望が強い方は多いでしょう。

その希望をあきらめるのはもったいないです(社会に出てからも「この仕事をやりたい!」というものを持っている人はそんなにいませんからね)

当然、知識が豊富で優秀なツアープランナーはそれがキャリアアップにつながります。

より良い労働条件が望める大手旅行会社へ企画担当として入社することができるでしょう。

ただし企画の仕事にこだわりすぎると、ゆくゆくはランドオペレーターや中小規模の旅行会社を転々とすることになり年収がダウンする場合もあります。

②ツアーコンダクター派遣会社

一方でツアーコンダクターを希望する人たちは、次の異動がどの部署になるかわからない旅行会社勤務を早々にあきらめ、ツアーコンダクター派遣会社の契約社員になる道を選びます。

こうなるとずっとツアーコンダクターの仕事にたずさわれることになるので、仕事への充実感や大きなやりがいを再び感じることができるでしょう。

ただし契約社員ですから年収は下がる場合が多く、大手旅行会社勤務のような安定的なお給料や福利厚生は望めない可能性が高いです。

③ホテル業界

旅行会社に入社する人の中には、学生時代に観光ビジネスを専門的に学んだ人も多いでしょう。

そういった方は、「旅」に関わる仕事先の1つでもあるホテル業界へ転職する人もおすすめです。

ホテルの仕事も日常生活から離れた時間を提供する職業ですから、旅をプロデュースしたい人にはぴったりで再び大きなやりがいを感じることができるでしょう。

私の過去の同僚の中には、「ハワイの旅の手配をする仕事がしたい」という気持ちから、ハワイのホテルに転職する人もいました。

世界中を旅してみたかったという人が、世界的規模のホテルチェーンへ転職するようなケースも何人か見たことがありますね。

旅行会社でカウンター業務やコールセンター、セールスを経験した人であれば、ホテルのフロントやコンシェルジュ、宿泊宴会セールスでも即戦力として活躍できると思います。

キャリア転職の扱いになるでしょうから、年収もアップできる可能性が高いでしょう。

④がっつり収入を上げたい人は営業職

これは個人的な体験談込みの意見になるのですが、営業職もおすすめします(私は旅行会社を辞めた後、一時期保険セールスの仕事をしていました)

旅行パッケージという形のない商品を販売することができる人なら、たいていの営業職の仕事は簡単に感じると思いますよ。

特に、保険などの金融商品を売る仕事というのは難易度が高くなりますが、私自身はそれほど抵抗なくやることができました。

また、日々違うお客さまへ接客し個別の旅行手配をすることに長けている旅行会社の社員は、コミュニケーション能力が高い人が多いでしょう。

営業職の仕事ではこのコミュニケーション能力が極めて重要ですから、その適性を活かさない手はありませんね。

実際に私が転職した先は外資系保険会社のセールスでした。

個々のお客さまのご希望に沿ったプランをご提案することは、旅行会社時代に経験したのカウンター業務同様にお客さまの事を考えて一生懸命になれました。

また、何よりも自分の努力が実績や給与となってすぐにフィードバックされることが、モチベーションアップにつながり大きなやりがいを感じました(びっくりするぐらいの金額のボーナスをもらえた年もありました)

旅行とは異なる分野ですが、素質があるので新しい仕事にも早く慣れるのではないかと思います。

ただし、初めてお会いするお客さまとなかなか上手に話せない、という人には営業職には不向きなので注意しておきましょう。

まとめ

その他、芸能プロダクションや企業の総務やインハウスエージェント、航空業界などに転職する人たちも多いと思います。

ちなみに、私が旅行会社を辞めたのは会社がインバウンド取り扱いを休止することとなり違う部署へ異動になったことが直接の理由です(当時はインバウンド業務にたずさわりオーストラリアに赴任したり、帰国後は省庁へも出向いたりしていました)

旅行会社に勤める人は、希望していた部署になかなか入れなくて辞めたいという気持ちになっている人も多いと思います。

その希望にこだわるのであれば、一つの勤務先にこだわるのはもったいないです。

人は自分のやりたい仕事をやっているときが最も良い仕事ができるものですから、ぜひチャレンジする気持ちを忘れずに頑張ってみてくださいね。

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